弁護士は素晴らしい仕事。だけど、誰もが幸せになれるとは限らない。

僕は2007年に弁護士登録した、60期の弁護士です。
丸7年京都市内の法律事務所に勤務し、2015年に独立。
今はパラレルワーカーとして、弁護士業だけでなく、HPや動画制作などを通じて士業をサポートする仕事もしています。
この記事でお伝えしたいことは、
周りが何と言っても、あなたが辛いと感じるなら、それがあなたの正解
ということです。
おそらく大半の人は、「何を言ってるんだ!」と思うはずです。
だけど、誰か一人でも、心が軽くなって欲しいと思って書きます。
弁護士という仕事は、素晴らしい仕事です。断言できます。
(他の仕事と比べて云々という意味ではなく、弁護士という仕事単体を見て言っています)
弁護士にしか出来ないことは、たくさんあります。
弁護士だからこそ、守れる命・権利・財産があります。
僕も弁護士として、多くの感謝を頂きました。
涙を流して感謝してくださる方もいらっしゃいました。
ただそんな素晴らしい仕事であっても、弁護士になれば全員幸せになれるとは思いません。
「弁護士という仕事の素晴らしさ」と、「その人が弁護士になって幸せになれるかどうか」というのは別物だと思うのです。
もちろん一口に「弁護士」と言っても、色々な働き方があります。
ただ少なくとも、「弁護士になりさえすれば幸せになれる」とは思えないのです。
これは、考えてみれば当たり前ではないでしょうか。
どんな名作も、どんな名曲も、どんな名画も、どんな食事も、どんな服も、どんな場所も、合う・合わないは必ずあります。
誰かにとってNo.1の映画が、他の誰かにとってもNo.1とは限りません。
「全然面白くない」と感じても、何ら不思議ではありません。
仕事も、それと同じです。
誰かにとって「天職だ!」と思える仕事が、他の誰かにとっても天職とは限りません。
「全然面白くない」どころか、辛くて、苦しくて、心身を壊してしまう人だっているでしょう。
弁護士だって、例外ではないと思うのです。
「弁護士が辛い」
「弁護士を辞めたい」
そんなことを口にすれば、
「贅沢だ」
「せっかくなったのにもったいない」
そんな言葉を掛けられるかもしれません。
しかも弁護士は、膨大な時間・労力・お金を掛けて、厳しい試験を突破して、ようやくなれる職業です。
ですから、そう簡単に方向転換出来ない気持ちも痛いほど分かります。
でもやっぱり、合う・合わないはあると思うのです。
だから、もしあなたが、「弁護士が辛い」「辞めたい」と感じるなら、それはあなたにとっての正解です。
「他の誰かにとって」ではなく、「あなたにとって」の正解。
もちろんどんな仕事でも、辛い部分・大変な部分はあります。
ちょっと辛いからと言って、「合わない」と決めつけるのも良くありません。
だけど、そのレベルを超えて「辛い」「苦しい」「辞めたい」と思うなら、その気持ちに蓋をしてはいけないと思うのです。
「仕事っていうのは、辛いものだよ」
「もっと辛い想いで頑張ってる人がいるよ」
「あなたの努力や我慢が足りないからだよ」
「皆我慢してるんだから、逃げてはいけないよ」
「ここで逃げたら、一生逃げ続ける人生になるよ」
そうアドバイスしてくれる人もいるでしょう。
でも、あなたが本当に辛いのなら、耳を貸す必要はありません。
どうしても理解して欲しい相手でなければ、反論や説得をする必要もありません。
どうして僕が、わざわざこんなことを書くのか?
それは、一人で抱え込まないで欲しいからです。
弁護士は、素晴らしい仕事です。
苦労して、ようやくなれる仕事です。
だから、「私は辛いです」と言い出しづらい気がします。
だから、「私の我慢や努力が足りないだけ」と追い詰めてしまう気がします。
だから、「独りじゃないよ」「間違ってないよ」と言いたくて書いています。
周りの人は間違っていません。だけど、あなたも間違っていません。
正解は、一人一人違うからです。
弁護士は素晴らしい仕事です。
大好きな先生もたくさんいます。
尊敬している先生もたくさんいます。
偶々僕は、自分が弁護士として働くよりも、弁護士という素晴らしい仕事をサポートする方が合っている。
シンプルに、それだけの話です。
これは覚えておいてください。
常に選択肢は複数あります。
「自分には弁護士しか道がない」
「弁護士以外の仕事をするなんてダメだ」
そんなことは思わないでください。
弁護士を辞めなくたって、他の仕事はできます。
弁護士という仕事の中でも、合う分野、合う事務所を探せるかもしれません。
今も僕は、以前ほどではありませんが、弁護士業もしています。
弁護士しかやっていなかった頃は、詰んでいました。
だけど今は、良い距離を保てています。
もちろん真剣にやっています。
だけど以前のように、詰んでいるという感覚はありません。
今回お話したことは、過去の僕が欲しかった言葉です。
ずっとずっと、誰かに言って欲しくて、たまらなかった言葉です。
少しでも、あなたの心に響けば嬉しいです。