不幸を解消しても幸福にならない理由|「絶対悲観主義」(楠木建さん著)より

- もっと給料が上がれば!
- 転職がうまくいけば!
- あの資格さえ取れれば!
- あの人がいなければ!
- あの人と付き合えれば!etc
そういう願いが叶ったものの、その内また別の不満が出てきた、という経験はないでしょうか?
この謎を解き明かすヒントが、「絶対悲観主義」という本にありました。
これを知ることで、
- 幸福感が続かない理由
- いまいち幸福度が上がらない理由
- 幸せになるために、何を目指すべきか
こういったことのヒントになるかもしれません。
「絶対悲観主義」で紹介されていた理論
該当箇所がWEBで公開されていますので、気になる方はご覧ください。
ここからは、僕の解釈・考えを交えて紹介いたします。
「幸福・満足」と「不幸・不満足」は別の話!
ザックリ言うと、物事は2つに分けられます。
- 幸福や満足を増やす要因
- 不幸や不満足を減らす要因
そして2つの要因は、それぞれ独立した話です。
こんなイメージ。
- 幸福・満足の反対は、不幸・不満足ではなく、幸福・満足ではない状態
- 不幸・不満足の反対は、幸福・満足ではなく、不幸・不満足ではない状態
つまり、いくら不幸・不満足な要因を排除しても、「不幸・不満足ではない状態」になるだけで、「幸福・満足な状態」にはならないわけです。
幸福と不幸は同じ直線上ではなく、別次元!
例えば「衣食住が不十分」というのは、「不幸・不満足」です。
じゃあ、衣食住が足りていれば「幸福・満足」かというと、そうとは限りません。
それは「不幸・不満足ではない状態」に過ぎず、「幸福・満足な状態」になるには別の要因が必要だからです。
別の例を出すと、空腹を満たせば「不満足」は解消されますが、美味しいものを食べるという「満足」は別の話ですよね。
仕事での具体例
ハーズバーグの研究によれば、仕事上の要因は次のとおりです。
- 人に信頼されること
- その仕事自体に意義を感じられることなど
- 給料
- 勤務条件
- 対人関係など
確かに給料・勤務条件・対人関係などは、不十分だと不満になります。
ただ、「それらがいくら良くても、不満が解消されるだけで真の満足にはならない」というわけです。
不幸・不満足の解消と、幸福・満足は別次元だからです。
不幸を解消しても、幸福にはならない!
人はつい、給料や人間関係といった「不幸や不満足を少なくする要因」に目がいきます。
これは、「嫌なこと」は認識しやすいので当然のこと。
しかし、ひたすら不幸・不満足の要因を減らしても、幸福・満足にはならないわけです。
もちろん、「不幸・不満足の要因を減らしても意味がない」という話ではありません。それはそれで大事なこと。
ポイントは、不幸・不満足の要因を減らすと同時に、幸福・満足の要因を増やすという両輪。
僕自身、これまで「嫌なこと」をできるだけ取り除いてきました。
その結果、確かに「嫌なことが減った」という満足感はあります。
しかし、じゃあそれが幸福・満足に直結したかというと別の話です。
「嫌なことが減る」ということと、「好きなことが増える」というのは別なんですよね。
ですから、この理論はかなり腑に落ちます。
今後は、自分の希望や願望が、どちらの要因に関するものか意識してみてください。
本自体も非常に面白いので、よろしければ。
まとめ
「絶対悲観主義」(楠木建さん著)で紹介されていた理論によれば、どんなに不幸の要因を減らしても、幸福にはなりません。
大事なことは、不幸の要因を減らすと同時に、幸福の要因を増やすこと。
自分自身の人生はもちろん、リーダーにも大事な視点かもしれません。
個人的には、かなり腑に落ちる理論でした!