変わりたいのも変わりたくないのも全部あなた。
あなたが何か新しいことをしようと思ったとき、行く手を阻む最大の敵は自分自身です。
その事実を知っているかどうかで、あなたの未来が大きく変わると言っても過言ではありません。
今回は、その話をしたいと思います!
あなたの現状は、「最適な環境」
今あなたの周りにある仕事、家族、友達、同僚、家、趣味、服などあらゆるものは、あなたの本能にとって「最適な環境」です。
「え?最適?仕事も家も持ち物も、満足してないんですけど!」
そう思ったかもしれません。でも、あなたの本能にとっては「最適」です。なぜなら、本能が最も欲しがっているのは「安心・安全」だからです。
たとえ今の環境に不満があったとしても、安心・安全が脅かされるような状況ではないはずです。
いくら仕事が好きではなく、分からず屋の上司に嫌気がさし、嫌な同僚に悩まされていても、「毎日生きるか死ぬか分からない状況で仕事をしている」という方はいないでしょう(ごく限定的なケースを除く)。
ですから、「安心・安全」が確保されている今の環境は、「最適な環境」というわけです。
今の環境を「最適な環境」と判断する本能が、何を目指すか?
それは、現状維持です。
なぜなら、現に今日「安心・安全」に生きられているのですから、明日も「安心・安全」に生きる確率を1%でも上げるためには、下手に新しいことなんてしない方が良いからです。
「安心・安全が確保されている」ということは「知っていることばかり」ということ
「安心・安全が確保されている環境」は、言い方を変えると、「知っている(あるいは容易に予想がつく)ことばかりという環境」です。
家でも、通勤途中でも、職場でも、知っていることばかりだからこそ、「安心・安全を脅かされることはない」と判断できるわけです。
ここまでを一旦まとめます!
- 本能が求めるのは「安心・安全」
- 現に「安心・安全」に生きられている今の環境は、本能にとって「最適な環境」。だから現状維持を目指す。
- でも「最適な環境」=「知っていることばかりの環境」。
「知っていること」で埋め尽くされた環境で生き続けると、どうなるか?
それは、知っている範囲の未来が訪れます。決して、思いもよらなかった未来は訪れません。
今までと大差ない生き方をすれば、今までと大差ない未来がやって来る。
今までと違う生き方をすれば、今までと違う未来がやって来る。
知っている現状の延長線上に、知らない未来は存在しません。それが自然の摂理です。
今までと大差ない生き方をして、今までと違う未来がやって来る、というメニューはありません。
寿司屋に行けば寿司が出る。パスタ屋に行けばパスタが出る。寿司屋でパスタは出ないのと同じです。
「今までと違う未来が欲しい!」と思ったら?
今までと違う生き方をしなければなりません。ところが本能は、「ねぇ、やめとこうよ」と囁いてきます。
・まだそのときじゃないんじゃない?
・周りから悪口言われるよ?
・そんなに抱え込んで、どれも中途半端になったら迷惑掛けるよ?
・またあの時みたいに傷つくよ?
・足るを知りなさいって言われたでしょ?
・もっと大変な人はいるのに、贅沢言っちゃダメだよ?
実に巧妙に、もっともらしい理由を並べてきます。
対策は?
まずは、「違った生き方をしようとしたら、必ず本能がブレーキを掛けてくる」という事実を知ることです。これを知っておかないと、本能から言われるがままに現状維持をしてしまいます。
今これを読んでくださっているあなたは、既に「本能の囁き」の存在を知りました。
次何か新しいことをしようとした時、いつもなら言いなりになっていた囁きを、「あ、これ前聞いたやつだわ」と受け止めることができるでしょう。
もちろん、「本能の囁きには全部逆らいましょう」ということではありません。
本能の囁きはそれとして、冷静に考えるんです。
・本当は自分はどうしたいのか?
・本能が恐れているリスクは、そんなに大層なことなのか?
・リスクを抑える方法はないのか?
こんな感じで。この考え方が習慣化すると、本能に言われるがままに現状維持することはどんどん減ります。
そうすると、どんどん今までと違う生き方ができるようになります。その結果、どんどん今までと違う未来がやってきます。
色んなことに即チャレンジできる人の多くは、生まれつきではありません。「やってみたら意外と大丈夫やん!」と思えた経験を積み重ねることで、「ここまでは安全・安心が脅かされることはない!」という領域を広げてきた結果です。
一人で家の外に出ることすら恐怖だった幼少期のあなたが、今ではガンガン一人で外出できるようになったのと全く同じです。
翻って、あなたが欲しいのは、どんな未来ですか?
今までと大差ない未来が欲しければ、ぜひ今までと大差ない生き方をして下さい。
今までと違う未来が欲しければ、ぜひ今までと違う生き方をして下さい。
そこには良し悪しはありません。どちらが好きかということだけです。
最後に正直に告白すると、僕は数年前まで、今までと大差ない生き方をして、今までと違う未来を熱望していました。
今の僕なら、当時の僕にこう言います。
「今までと大差ない生き方しかしないなら、今までと違う未来は潔く諦めた方が良い。」