「この世界で生きるのは止めよう」と思った3人の弁護士の言葉

僕は2007年に弁護士登録した、60期の弁護士です。
丸7年京都市内の法律事務所に勤務し、2015年に独立。
今はパラレルワーカーとして、弁護士だけでなく、HPや動画制作などを通じて士業をサポートする仕事もしています。
この連載では、仕事が辛くて仕方なかった新人弁護士時代から、今までの軌跡をまとめています。
過去の僕のような方に届けば、嬉しいです。
前回の振り返り
弁護士の仕事が辛くて仕方なかったけれど、仕事が辛いのは当たり前だし、皆辛いのに頑張ってるんだから、自分だけ逃げちゃいけない
そう言い聞かせて、日々仕事に向かっていました。
今回は、その考えを変え、方向転換するきっかけとなった出来事をお話しします。
3人の弁護士の言葉
僕の考えを変えてくれたのは、3人の弁護士の言葉です。
もちろん他にも、沢山の素晴らしい弁護士に出会いました。
ただ僕が「辛い」と思っていた時期に出会ったので、特にインパクトが大きかったです。
①ある先輩弁護士の言葉
弁護士になった頃から、ずっと尊敬というか、憧れていた弁護士が、こう言いました。
その言葉を聞いた時、「えっ!?」という衝撃が走りました。
「皆辛いのを我慢してやってる」と思っていたので、「面白い」という言葉が理解できませんでした。
②ある同期の弁護士の言葉
同期の弁護士に「仕事が辛い」と相談した時、こう言われました。
この言葉を聞いた時も、本当に衝撃的でした。
先程の先輩弁護士もそうですが、そこでいう「面白い」というのは、「楽」とか「笑える」とは全然違います。
やりがいと言うか、深い充実感と言うか、「自分に合ったことをやっている」というイメージです。
実際僕も、動画やHPを作るのは、楽ではありません。
だけど、間違いなく「面白い」と感じます。
③別の同期の言葉
別の同期は、強い使命感を持って仕事に取り組んでいました。
当然周囲からも信頼され、弁護士会などから、引き受け手のない案件が沢山回ってくるほど。
それでも彼は、
そう言って、グチも泣き言も言わず仕事に取り組んでいました。
その姿勢は、「嫌だけどやってる」「仕方ないからやってる」とは無縁でした。
彼は、こうも言っていました。
僕は毎日、「辛い」と思いながら仕事をしていました。
ところが同じ世界、それも身近に、こんな人達がいたんです。
格の違いを見せつけられたようで、「自分は一体何をやっているんだろう?」という猛烈な恥ずかしさを覚えました。
この世界じゃ勝てない
それまで僕を支えていたのは、「仕事は辛くて当たり前。皆辛くても頑張っている」という考えでした。
ところが3人の弁護士の言葉を聞いて、その考えはガラガラと音を立てて崩れました。
「実はそうじゃない」と知ってしまったんです。
そして同時に、こう思いました。
この世界じゃ勝てない
裁判の勝ち負けの話ではありません。
別に競争しているわけでもないので、そもそも勝ち負けなんてありません。
どういうことかと言うと、僕が彼らと同じ結果を出すには、彼らの何倍もの努力とストレスが必要だろう、と。
そして彼らが僕と同じだけ努力すれば、僕の何倍もの結果を出すだろう、と。
だから僕は、「この世界じゃ勝てない」と思いました。
ここは表現が難しいのですが、別に「勝てる世界で生きたい」わけではないんです。
・自分が咲くべき場所で生きたい
・自分という人間の価値が最大化される場所で生きたい
そんな感覚でしょうか。
そして思ったのが、
じゃあ僕が生きるべき世界はどこだ?
ということ。
そう考えられたのが、僕の大きな転換点でした。
もちろん、ある瞬間にカチッと転換したわけではなく、徐々に徐々に、という感じです。
線路がゆっくり切り替わって、別の線路に繋がって、ようやく進み始めたという感じです。
言うまでもありませんが、弁護士の世界を否定しているとか、弁護士一本で生きている方を否定するつもりは全くありません。
単純に、「合う・合わない」の話です。
むしろ僕は、弁護士の先生方を心から尊敬しています。
なぜなら、僕が出来なかったことをされているからです(もちろん、大変な努力とストレスが伴うことも知っています)。
だから僕は、その素晴らしい先生方のサポートをさせて頂きたい。
これが、僕が士業のサポートをしている大きな理由です。
向いてる仕事、向いてない仕事
僕は今、HPや動画を作ったり、コーチングをしたり、ブログで収入を得たりしています。
今は、まさに「面白い」と感じながら仕事をしています。
この経験を通じて思うことは、
・人と同じ結果を出すために、人の何倍も努力とストレスが必要なら、向いていない
・人と同じ結果を出すために、人の何分の一かの努力とストレスで済むなら、向いている
ということです。
初回無料のコーチング
もし「仕事が辛い」「移籍を考えてる」「他の仕事も考えてる」といった方がいらっしゃいましたら、コーチングもオススメです。
「仕事は辛くて当たり前。皆辛くても頑張っている。だから僕も逃げずに頑張らなきゃ。」
その考えを根底から覆した、3人の弁護士の言葉をご紹介しました。
この出会いがあって、本当に良かったです。